Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

にせんどうか

二銭銅貨

江戸川 乱歩

Leggi 二銭銅貨 (にせんどうか) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.143 caratteri · 34 schermate

Aozora Bunko

下

「この風呂敷包の中には、君、五万円という金が這入っているのだよ」

下

読者も既に想像されたであろう様に、松村武は、問題の紳士泥坊の隠して置いた五万円を、どこからか持って来たのであった。それは、彼の電気工場へ持参すれば、五千円の懸賞金に与ることの出来る五万円であった。だが、松村はそうしない積りだと云った。そして、その理由を次の様に説明した。

彼に云わせると、その金を馬鹿正直に届け出るのは、愚なことであるばかりでなく、同時に、非常に危険なことでもあるというのであった。其筋の専門の刑事達が、約一箇月もかかって探し廻っても、発見されなかったこの金である。仮令このまま我々が頂戴して置いた所で、誰が疑うものか、我々にしたって、五千円よりは五万円の方が有難いではないか。

それよりも恐しいのは、彼奴、紳士泥坊の復讐である。こいつが恐しい。刑期の延びるのを犠牲にしてまで隠して置いたこの金を、横取りされたと知ったら、彼奴、あの悪事にかけては天才といってもよい所の彼奴が、見逃して置こう筈がない――松村は寧ろ泥坊を畏敬している口調であった――このまま黙って居ってさえ危いのに、これを持主に届けて、懸賞金を貰いなどしようものなら、直ぐ松村武の名が新聞に出る。