Classici giapponesi con furigana
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ごかいのまど
五階の窓
甲賀 三郎
Leggi 五階の窓 (ごかいのまど) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.373 caratteri · 25 schermate
また実際においても、これらの艶子の身に起こったかずかずのことは第三者の目から見ると不幸の限りだったけれども、艶子にしてみれば家の繁昌していたころは記憶前のことだし、貧乏な生活には慣れているし、真の両親は早く失ったけれども、代わりに優しい養父母を得たのであるから、そう悲嘆に咽ぶことはなかったのである。
だから、彼女が小学校を卒業するとすぐに電話交換局に勤めねばならなかったことも、さして苦にはしていなかった。十三の小娘があるときは朝早くから、またある期間は夜ばかり、毎日石造りの陰鬱な大きな部屋に通って、慣れない交換台に向かって、加入者の罵声を浴び、仲間からは粗末な服装を嘲笑され、両親から譲られた唯一のものである美貌を嫉視されて、白眼と冷眼のうちに自己を開拓していった。一、二年の修業は筆紙に尽くせぬ辛苦だった。けれども、彼女はさほどに感じなかった。彼女はいつでも従順に運命についていった。
運命もまた彼女にいつでも無情ではなかった。神はこの哀れな孤児に怜悧と美貌を与えたのみならず、さらに何物にもいじけない楽天性を付与した。彼女の環境は彼女をおとなしい従順な寂しい少女として育てていったけれども、一面では彼女の天性である純真さ無邪気さ快活さが、すくすくと心のうちで成長していたのである。