Classici giapponesi con furigana
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きょうらくじん
享楽人
和辻 哲郎
Leggi 享楽人 (きょうらくじん) di 和辻 哲郎 (わつじてつろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4551 caratteri · 10 schermate
しかし我々は、苦しみを取り除こうとする衝動がいかに強く起こったにしても、必ずしもそれを取り除き得るとは限らない。その際には我々はさらに一層の苦しみを感ずる。この衝動が強ければ強いほどこの苦しみもまたはなはだしい。その時我々はどこに落ちつき場所を求めるか。落ちつけないという断念に――すなわちこの世を苦渋の世界と観ずることに、落ちつきを求めるか。あるいは絶対の力にすがるか。あるいはなすべきことをなし切らない自己を鞭うつか。あるいは社会の改造に活路を認めるか。――それらはおのおの一つの道である。がこの場合、美の陶酔に自己の安んずる場所を認めるとすれば、それは右の諸種の道と異なった一つの特殊な道である。ここでは美への関心が善への関心の上に置かれる。そうしてあの苦しみが強ければ強いほど、この安心の方法もまたその意味を深めるのである。
木下杢太郎は傷つきやすい心を持っている。悲哀にも沈みやすい。こうもりが光を恐れるように倫理的な苦しみを恐れる。それゆえに、「一生を旅行で暮らすような」彼は、「生の流転をはかなむ心持ちに纏絡する煩わしい感情から脱したい、乃至時々それから避けて休みたい、ある土台を得たい」