Classici giapponesi con furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Leggi 人外魔境 (じんがいまきょう) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.384 caratteri · 42 schermate
と折竹も呆れかえって、
「君は、軽口師のガの字も知らんのじゃないか」
「そうとも、窮すればなんでもするよ。浪人数十回となれば、女中にもなれる」
そう言って、とっぷり暮れた夜気を一、二回吸い、暫く、空の星をつくねんとながめていたが、急に、なにかに気付いたらしく、くるっと振りむいた。彼は、ぜひ大将に話したいことがある。それには、ここじゃ何だから彼方でといって、ぐいぐい折竹を急き立てて、向うの小路へ入っていった。
「なんだね」
「じつは、大将にこれを見て貰いたい」とポケットからだしたその男の掌には、キラキラ光る粒が二、三粒転がっている。手にとると、まだ磨かれていないダイヤの原石。大きさは、まあ十カラットから二十カラットぐらいだろうが……、それよりも、掘りだしたままの土の手触りが、折竹にはじつに異様であった。彼は、手にとった石をあっさりと返して、
「君、これは盗ったやつかね。それとも脱税品か」
「マア、言や後のほうだろう。ところで、見受けたところ大将は、日本人らしい。日本人でも、サントスやサン・パウロにいるならお移民さんだが、リオにおいでのようじゃ大使館だね。まったく、どこの税関でもお関いなしに通れる、結構なご身分というもんさ。