Classici giapponesi con furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Leggi 人外魔境 (じんがいまきょう) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 101.713 caratteri · 205 schermate
滅多にでないから、標本もない。マア、僕らは、きょう千載に一遇の機会で、お目にかかれたというわけだ」
「ううむ、そんな珍物かね」と、温厚学究君子のケプナラ君は感じ入るばかり。果して、この奇獣は唯者ではなかった。やがて、折竹を導いて「冥路の国」へと引きよせてゆく、運命の無言の使者だったのだ。咆えもせず、じっと瞳を据えて人間を見わたしている、狡智、残忍というか慄っとなるような光。これぞ、極洋の狼、孤独の海狼と――なんだか睨みかえしたくなる厭アな感じが、ふとこの数日来折竹に絡わりついている、ある一つの異様な出来事を思いださせたのである。それは、両三度を通じておなじような意味の、次のような手紙が舞いこんできたのだ。
敢えて小生は、世界的探検家なる折竹氏に言う。この地上にもし、まだ誰も知らず一人も踏まぬ国ありとすれば、その所在を、ご貴殿にはお買い取りになりたき意志なきや。小生は、それほどのものを売らねばならぬほど、目下困窮を極めおり候。
明日、午後三時より三時半までのあいだ、東二十四番街のリクリェーション埠頭の出際、「老鴉」なる酒場にてお待ち申しおり候、目印しは、ジルベーのジンと書いてある貼紙の下。