Classici giapponesi con furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Leggi 人外魔境 (じんがいまきょう) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 101.713 caratteri · 205 schermate
そこでは、動物も、植物も原始地球のままだ。獣交も、殺戮も自然律にすぎない。そこで僕は、アッコルティ先生の説をもう一歩すすめるよ。つまり……ドドは、そこにいる原始人と親和的な、黒猩々との雑交児だろうということだ。第一、親を有尾人とするのには、尾がある。それ以外は、外見、智能といいそっくりの黒猩々だ」
カークは、すっかり圧倒されてしょんぼりと瞬いている。座間の、ちがった人のような不思議な情熱を、どこに、こんな静かな男にこんなものがあったのだろうと……、相手の唇を呆然とながめていたのである。
「それから」と座間はすべるように続けてゆく。
「なぜドドが郷愁を感じないかということが、僕にはやっと分ったような気がするよ。それはね、苺果痘をわずらって死期を知ったのだ。そして、死ぬために森の墓場へいった。そうなると、もうじぶんは帰れない……、これから、知らない世界へゆかねばならぬということが、彼らには本能的にわかる。そこへ、ドドは道をちがえたのだ。そして、森の墓場へはゆけず、君の手に落ちた……。だから君にも抵抗をしない……。こんな人里へきても郷愁を感じない……。ねえカーク、僕はその墓場へ、悪魔の尿溜へゆきたいんだよ」