Classici giapponesi con furigana
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にんじんのせい
人蔘の精
田中 貢太郎
Leggi 人蔘の精 (にんじんのせい) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3205 caratteri · 7 schermate
何をしているのであろうかと思って張が不審をしておりますと、間もなく穴の口で火が燃えだしました。張はすぐに怪物が石を打ち合せて火をこしらえたと云うことを知りました。不思議なことをするものだと思っておりますと、怪物は入って来て張の前に置いてあった肉を執って出て往きました。張には怪物の心が判りました。
しばらくすると、怪物はきれいに焼けた肉を持って張の前に来ました。張はもうこわがらずに其の肉を喫べました。喫べてしまうと怪物はまた手真似で寝る容をして見せました。張は云う通りにして石の上に寝ました。張が横になると怪物も其の傍へながながと横になって寝ました。
張は怪物が己のために肉を焼いてくれたりするのは、べつに殺すつもりでないらしいと思いましたが、それでも何のために伴れて来たやらそれが判らないので、やっぱり鬼魅悪いところがあって夜もゆっくり睡れませんでした。それでもうとうとしておりますと、不意に怪物に抱きあげられました。張はまたびっくりしました。
東の空が明るくなって黎明が近くなっておりました。怪物は張を抱いて穴の外へ出ました。片手には弓と四五本の矢を持っておりました。