Classici giapponesi con furigana
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にんじんのせい
人蔘の精
田中 貢太郎
Leggi 人蔘の精 (にんじんのせい) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3205 caratteri · 7 schermate
張はそれを見るとこれは己を外へ伴れ出して、射殺すではないかと思いました。
怪物は絶壁の処へ往って、其の傍に一本生えている木の枝に張を乗せて落ちないように其の上からぐるぐると巻きました。張はもう今にも射殺されるだろうと思って、生きた心地はしませんでした。もう今にも弦の音がして矢が飛んで来るだろうと思いました。
其のうちにたくさんの虎の声がしはじめました。そして其の声は次第に近くなって来て、すぐ脚下の方で聞えだしました。張は怖る怖る眼をあけて下の方を見ました。怪物は何処へ往ったのか見えないが、五六匹の大きな虎が己の姿を見つけてぐるぐると其の下をまわっておりました。張は俺は怪物には殺されずに此の虎に啖われるのだと思いました。
と、何処からともなく矢が飛んで来て、其の矢にあたって一匹の虎が倒れました。二本目の矢が続いて飛んで来て其の矢も一つの虎を倒しました。矢はまだ続けて三つ四つと飛んで来て、其の矢のためにとうとう三匹の虎が倒れてしまいました。すると他の虎は皆逃げてしまいました。
弓を持って怪物が岩の陰からのそのそと出て来ました。張はもう怪物の心が判ってしまったので安心しておりました。