Classici giapponesi con furigana
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にんげんしっかく
人間失格
Leggi 人間失格 (にんげんしっかく) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 73.014 caratteri · 141 schermate
自分たちはその時、喜劇名詞、悲劇名詞の当てっこをはじめました。これは、自分の発明した遊戯で、名詞には、すべて男性名詞、女性名詞、中性名詞などの別があるけれども、それと同時に、喜劇名詞、悲劇名詞の区別があって然るべきだ、たとえば、汽船と汽車はいずれも悲劇名詞で、市電とバスは、いずれも喜劇名詞、なぜそうなのか、それのわからぬ者は芸術を談ずるに足らん、喜劇に一個でも悲劇名詞をさしはさんでいる劇作家は、既にそれだけで落第、悲劇の場合もまた然り、といったようなわけなのでした。
「いいかい? 煙草は?」
と自分が問います。
「トラ。(悲劇の略)」
と堀木が言下に答えます。
「薬は?」
「粉薬かい? 丸薬かい?」
「注射」
「トラ」
「そうかな? ホルモン注射もあるしねえ」
「いや、断然トラだ。針が第一、お前、立派なトラじゃないか」
「よし、負けて置こう。しかし、君、薬や医者はね、あれで案外、コメ(喜劇の略)なんだぜ。死は?」
「コメ。牧師も和尚も然りじゃね」
「大出来。そうして、生はトラだなあ」
「ちがう。それも、コメ」
「いや、それでは、何でもかでも皆コメになってしまう。ではね、もう一つおたずねするが、漫画家は? よもや、コメとは言えませんでしょう?」