Classici giapponesi con furigana
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にんげんかい
人間灰
海野 十三
Leggi 人間灰 (にんげんかい) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.345 caratteri · 33 schermate
わしの知っているのは、それだけです」
「君は夫人がどうしていると思っていたのか」
と丘署長が尋ねた。
「はい、多分ベッドに寝ていることと思いました。しかしベッドはキチンとしていまして別に入った様子もありません」
「灯りは点いていたかネ」
「いいえ、点いていませんでした」
「お手伝いさんかなんかは居ないのかネ」
「一人いたのですが、前々日に親類に不幸があるというので、暇を取って宿下りをしていました。だから当夜は家内一人きりの筈です」
「何という名かネ。もっと詳しく云いたまえ」
「峰花子といいます。別に特徴もありませんが、この右足湖を東に渡った湖口に親類があって、そこの従姉が死んだということでした」
「君は夜中に夫人の失踪に気付きながら、なぜ人を呼ばなかったのだ」
「わしは青谷技師以外の者を頼みにしていません。それでこれを呼びたかったのですが、技師の家は湖水の南岸を一キロあまり、つまり湖口なのですからたいへんです。昼間なら一台トラックがあるのですが、いつも技師が自宅まで乗って帰るので、その便もありません。それで夜が明けて出勤してくるのを待つことにしたのです。第一、わしはもう十年以上も、この工場から一歩も外へ出たことがありませんでナ」