Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にんげんソーセージ

人間腸詰

夢野 久作

Leggi 人間腸詰 (にんげんソーセージ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.648 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

その睨みにぶつかったフイ嬢が、真青になってフラフラとブッ倒おれそうになったんですからね。あっしもズット後になって、そのチイ嬢の睨みの恐ろしい意味がわかってスッカリ震え上がっちゃったもんですがね。

その晩のことです。あっしは台湾館の地下室で一緒に寝ているノスタレ爺に感づかれないようにソーッと起き出して、首尾よく台湾館を抜け出しちゃいました。それから約束通り噴水の横でチイ嬢に会って、演芸館の裏で夜間出勤のサンドウィチマンを二人買収して、チイ嬢と二人で薄い布張りの四角い箱の中に這入って、入口の看守にテケツだけ見せて会場を抜け出しました。アトから考えるとあっしゃこの時にいい二本棒に見立てられていたんですなあ。節劇の文句じゃ御座んせんが「殺されるとは露知らず」でゲス。屠所の羊どころじゃねえ。大喜びで腸詰になりに行ったんですからね。

博覧会の会場を出るともう、カイモク西だか東だかわからねえ聖路易の町つづきでさあ。イルミネーションの海の底を続きつながって流れて行く馬車と電車の洪水でサ。その頃はまだ亜米利加にも円タクなんてものが無かったんですからね。

あっしの先に立ったチイ嬢は、一町ばかり行った処の薄暗い町角に在るポストの下で立停まりましたから、あっしもその横で立停まって巻煙草に火を点けました。