Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にんげんソーセージ

人間腸詰

夢野 久作

Leggi 人間腸詰 (にんげんソーセージ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.648 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

をやっていたそうです。

……ところで、まだ話があるんです。これからがホントに凄いんですね。

あっしがあらん限りの注射と滋養物のお蔭で、やっとモトの頭になって退院させられた時はもうユーカリの葉が散っちゃった秋の末で、博覧会なんかトックの昔におしまいになっておりました。退院すると直ぐに警察に呼び出されて、ほんの型ばかりの訊問を通訳附きで受けますと、領事さんからの旅費を貰って桑港から日本へ帰りましたが、その途中のことです。たしか出帆してから十日目ぐらいのお天気のいい朝でしたがね。あんまり航海が退屈なもんですから、眼が醒めても起き上る気がしません。そのまんま特別三等の寝床の中で足をツン伸ばしてアーッと一つ大きな欠伸をしたもんですが、そのトタンに桑港で知り合いの領事館の人からお土産に貰った小さな紙包みのことを思い出しました。ハテ何だったろうと思いながら、寝床の下のバスケットの中からその紙包を取り出して開けてみると、どうでげす。それが平べったいソーセージの缶なんで……。

コイツは占めたと思って飛び起きると、食堂から五十二仙の日本ビールを一本買って来て、ベットの上にアグラを掻きながら、缶の蓋を開けて、美味そうな腸詰の横ッ腹をジャクナイフで薄く切り初めたもんですが、その中に何やらナイフの刃に搦まるものがあります。