Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にんげんひょう

人間豹

江戸川 乱歩

Leggi 人間豹 (にんげんひょう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.989 caratteri · 311 schermate

Aozora Bunko

明智小五郎

「ハハハハハ、蘭子さん、だめ、だめ、そこには、もうちゃんと鍵をかけておいたよ。ほら、鍵はここにある。欲しいかい。欲しければあげないものでもないぜ。ただちょっとした条件があるけれどね」

正体を現わした人獣は、赤い唇を、ペロペロと舐めながら、さも小気味よげに、ニヤニヤと笑い出した。

蘭子は身の置き所もないように、手足をちぢめて、部屋の隅にすくんでしまった。そして、子供みたいにべそをかきながら、おびえきった眼で、恩田の様子をうかがっている。

人獣はじっと蘭子を見つめていた。長いあいだ身じろぎもせず見つめていた。だが、やがて、彼の上半身が、蘭子の方へ前かがみになり、その両手が、徐々に曲げられていった。そして、ついには、一匹の豹が、今にも餌食に飛びかかろうとする、あの無気味な姿勢に変っていた。

明智小五郎

蘭子はからだを括り猿のように丸く縮めて、脱衣室の隅っこに小さくなったまま、じりじりと迫ってくる怪物の恐ろしい形相を、まるで眼に見えぬ糸で視線をつながれでもしたように、まじろぎもせず見つめていた。

「ワハハハハ」

怪物は長い牙をむき出し、ヌメヌメした赤い唇を震わせて、身もだえするように哄笑した。