Classici giapponesi con furigana
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Leggi 人間豹 (にんげんひょう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.989 caratteri · 311 schermate
そのすき間から叫んでみたところで、瀕死の病人の唸り声ほどにしか響きはしないだろう。
やがて、正午近くとおぼしきころ、例の猛獣みたいな大男が、一方の手にはピストル、一方の手には二本の牛乳の瓶を持って、ギシギシと上がってきた。
「探偵さん、それから、そっちの兄ちゃん、君たちにちょっと相談があるんだよ」
男は部屋のまん中にしゃがんで、二人の顔をジロジロ見おろしながら、しわがれ声ではじめた。
「おれは何も君たちを干し殺すつもりはないんだよ。さぞ腹がへっただろうね。君たちが案外おとなしくしていたのに免じて、ご馳走をしようと思うんだ。ところで、言っておくがね、猿ぐつわを取ったからといって、無闇に大きな声を立てたりするんじゃないぜ。もっとも、君たちがそんなことをすりゃあ、こいつがズドンとお見舞い申すんだから、いっこうかまわないようなもんだが、おれだってなるべくなら人殺しはしたくねえ。円満にやりたいからね。どうだい、声なんか立てないと誓うかね。そうすりゃあ、このミルクを飲ませてやるんだが」
明智も神谷も、残念ながらお腹がペコペコだった。男の慈悲を受けるほかはない。それに、明智としては、猿ぐつわをはずした機会に、この男に尋ねてみたいことがあったのだ。