Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あだうちさんたい

仇討三態

菊池 寛

Leggi 仇討三態 (あだうちさんたい) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.136 caratteri · 33 schermate

Aozora Bunko

三人は文政から天保、弘化、嘉永、安政と、三十年間、日本国中を探し回った。幸太郎が安政四年に、陸奥国牡鹿郡折の浜の小庵に、剃髪して黙昭と名乗って隠れて忍んでいる休右衛門を見出したのは、安政四年十月六日のことだった。

不幸にも、弟の盛次郎と伯父留二郎は、幸太郎と別れて関八州を尋ねていた。幸太郎は思った。弟や伯父の三十余年に渡る艱難も、ただこの敵に一刀恨まんためである、自分が一人で討ったならば、二人がさぞ本意なく思うであろうと。が、幸太郎は思い返した。二人は、今いずこにいるのか、先に手紙を出したが返事がない。敵の休右衛門は、七十を越した極老の者である。二人の音信を待つうちに、いつ病死するかもしれない。二人には、不義であろうとも、一日も早く多年の本懐を達するに若くはないと。幸太郎は、そう決心すると、翌七日、黙昭を欺き寄せて多年の本懐を達したのである。

父の弥五兵衛が討たれてから四十一年目、兄弟が敵討の旅に出てから三十一年目、兄の幸太郎は四十七歳、弟の盛次郎は四十五歳、伯父の留二郎は七十二歳の高齢であった。

兄弟がめでたく帰参したときは、新発田藩では、嫡子主膳正直溥の世になっていた。