Classici giapponesi con furigana
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あだうちさんたい
仇討三態
菊池 寛
Leggi 仇討三態 (あだうちさんたい) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.136 caratteri · 33 schermate
が、君臣は挙って、幸太郎兄弟が三十年来の苦節を賛嘆した。幸太郎は、亡父の旧知百五十石に、新たに百石を加えられた、盛次郎は新たに十五石五人扶持を給うて近習の列に加えられた。
一藩は兄弟に対する賛美で、鼎の沸くようであったが、その中で、鈴木兄弟だけは無念の涙をのんでいた。
人々は幸太郎兄弟を褒める引合として、きっと鈴木兄弟を貶した。
「鈴木忠三郎は、兄を迎えるために、便々と日を過したというが、幸太郎殿の分別とは雲泥の違いじゃ。敵を探し出しながら、おめおめと病死させるとはなんといううつけ者じゃ」
が、そんな非難はまだよい方だった。
「三十年の辛抱に比ぶれば、八年の辛苦がなんじゃ」
「八年探して、根の尽きる武士に、幸太郎兄弟の爪の垢でも、煎じて飲ませたい」
世評は、成功者を九天の上に祭り上げると共に、失敗者を奈落の底へまで突き落さねば止まなかった。
幸太郎兄弟が帰参してから十日ばかり経った頃だった。兄弟の帰参を祝う酒宴が、親類縁者によって開かれた。
幸か不幸か、鈴木忠次郎は、久米家とは遠い縁者に当っていた。彼は、病気といってその席に連なるまいかと思ったが、悪意のある世評が、「あれ見よ。