Classici giapponesi con furigana
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あだうちきんしれい
仇討禁止令
菊池 寛
Leggi 仇討禁止令 (あだうちきんしれい) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.238 caratteri · 35 schermate
その上、私の志は両人を一時に討ち取りたい願いなので、ことを運ぶのが容易でござりませぬ」
「なるほど……」そう答えて、新一郎は暗然としてしまった。
新一郎は、名乗って討たれてやろうかと思った。しかし、新一郎は頼母を殺したことを、国家のための止むを得ない殺人だと思っていただけに、名乗って討たれてやるほど、自責を感じていなかった。その上、最近になって、左院副議長江藤新平の知遇を得て、司法少輔に抜擢せられる内約があったし、そうなれば、新日本の民法刑法などの改革に、一働きしたい野心もあった。
当分万之助の様子を見ながら、万之助に復讐の志を変えさせることが、皆のためにもなり、万之助のためにもなるのではないかと思っていた。
そのうちに、明治六年が来た。
正月の年賀に、万之助は水道橋の旧藩主松平邸に行った。彼は、そこで山田甚之助に会ったが、山田は軍刀の柄を握って、万之助に対し少しの油断も見せなかった。万之助は、懐中していた短刀の柄に幾度も手をかけたが、吉川も同時に討ちたいという気持と、相手が着ている絢爛たる近衛士官の制服の威力に圧倒されて、とうとう手が出なかった。