Classici giapponesi con furigana
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こんどこそ
今度こそ
片岡 鉄兵
Leggi 今度こそ (こんどこそ) di 片岡 鉄兵 (かたおかてっぺい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2432 caratteri · 5 schermate
わざとだ。
俺はさすがに甲吉が気の毒になって、
「もう止せよ」と、そっと海野に云った。
それから何日かたつ頃だ、会社からの帰りみちで、うしろから俺を呼ぶものがある。
「何だ、お前えか」
俺は、俺を呼び止めたのが甲吉だと知ると、思い切り詰らなそうな顔をして見せた。「お前えと一緒に歩くのは厭だよ」と云わぬばかりに。
「みんなは若けえからストライキだって元気でやれるんだ。だが俺は――」
「もう好いよ。愚痴は云うな、甲吉」
「お前えまで、俺を……職場から出て行けがしにする」としおしおしてやがる。
「どう致しまして。お前えの首を馘るなア、資本家の役目さ」と俺は云ってやった。
三カ月たった。或日――
「甲吉の野郎がやられた!」という叫びが工場中に鳴り渡った。あの、誰かが機械にやられた時、俺らの胸がドンと突く、妙に底鳴りのする叫び声だ。
俺は走って行った。人だかりを押しわけて俺は見た、甲吉の野郎、何て青い顔だ、そして血だ。片手をやられて倒れている。
誰も、ざまア見ろ、とは云わなかった。
あれは、俺らの姿だ。
担架で運ばれて行く負傷者を、みんな黙々として見送った。
「俺たちを裏切ったあいつ。