Classici giapponesi con furigana
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こんにちのどくしゃのせいかく
今日の読者の性格
宮本 百合子
Leggi 今日の読者の性格 (こんにちのどくしゃのせいかく) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6197 caratteri · 13 schermate
これは、どういうことなのだろう。
三
この二三年らい日本のあらゆる事情が激変しているが、特に昨今は物価の乱調子な気ぜわしない上り下りや様々の必需品の不揃い不安定な状態も、切実に生活感情のうちにそのかげをうつしているのだと思う。乾物屋が店の玉子の値段がきに四十とだけ書き据えて、あとの何銭というところに紙をはりつけ次の変化にそなえている刻々の心理は、市民生活のあらゆる部門に亙って存在している。来年中等学校へ入る子供たちはどんな試験をうけることになるのだろうかと思っている昨今の皆の感情も、予測のつかなさと不安定の感とその現象に対する一市民としての無力感とに於て、明らかな時代の感情の色調を帯びている。
あらゆるものが強い旋回の裡に動きつつあるのがこの日々なのだが、一般は果してそのように自分たちを旋回させている現実の理由や方向や意味を客観的なひろがりの中でどこまで掴んでいるであろう。現実のそれぞれの局面に付せられている名称や説明は、それとして現実の実際の解明と等しいものではないことが生活感情としては何となし直感されている。だがその現実の二重焼つけのような映像に対して、どんな態度かと云えば極めて心理的な麻痺の状態におかれているところがあると思う。