Classici giapponesi con furigana
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けさのゆき
今朝の雪
宮本 百合子
Leggi 今朝の雪 (けさのゆき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.936 caratteri · 24 schermate
紀子は、はにかんだように小さく笑って、
「だって……」
と肩をひくようにした。
「何だかこの頃は分らなくなって来ちゃったわ」
坂本と結婚したのは二年前であった。紀子の生家と因縁の深い金貸の伯父がいや応なく紀子にその縁談を強いているのだと知ると、どうせそんな厭な奴が仲人になる位ならと、紀子は直接出かけて坂本に会い、坂本もその気になって、親たちの所謂縁談の進行にかけかまいなく、自分たちとして結婚してしまった。紀子はそうすることで、その結婚に自分を立て得たと思うらしかった。それを積極的にいう友達も少くなかった。峯子には、そういう風に動く紀子の心理の底までが納得されると云えなかった。
学校時代から知っていた正二を、新しい感情で見るようになって来ている自分に心づいたその頃の峯子は、紀子の飛躍が却ってすらりとのみこめなかったのであった。
「じゃあなたも新潟へいらっしゃるわけね」
とき子が、ゆったりした口調できいた。
「ええ。でも当分あっちへ行かないことになってるの」
紀子はまた靴の踵をグリグリとさせた。
「会社の奥さん連て、とても程度が低いんですって。坂本は、私がそんな仲間に入るののぞまないんですって」