Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なにもの

何者

江戸川 乱歩

Leggi 何者 (なにもの) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.449 caratteri · 77 schermate

Aozora Bunko

弘一君が突然又別のことを云い出した。どうも、彼の思考力は統一を失ってしまっている様だ。私は少々心配になって来た。

「これが今度の犯罪事件の、最も有力な手掛りになるのではないかと思うよ」

彼は私の顔色などには無関心で話しつづける。

「皆が書斎へかけつけた時、常爺や丈けが窓際へ行って坐りこんでしまった。面白いね。君、分るかね。それには何か理由がなくてはならない。気違いではあるまいし、理由なしでそんな馬鹿な真似をする筈はないからね」

「無論理由はあったろうさ。だが、それが分らないから、妙に思うのだ」

私は少し癇に触って、荒っぽい口を利いた。

「僕には分る様な気がするんだがね」弘一君はニヤニヤして「ホラ、その翌朝常爺やが何をしていたかということを考えて見給え」

「翌朝? 常爺さんが?」

私は彼の意味を悟りかねた。

「なんだね。君はちゃんと見ていたじゃないか。君はね、赤井さんのことばかり考えているものだから、そこへ気がつかぬのだよ。ホラ、君がさっき話したじゃないか。赤井さんが洋館の向側を覗いていたって」

「ウン、それもおかしいのだよ」

「イヤサ、君は別々に考えるからいけない。