Classici giapponesi con furigana
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なにもの
何者
江戸川 乱歩
Leggi 何者 (なにもの) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.449 caratteri · 77 schermate
二、消えた足跡
「気違いかも知れませんな。黄金蒐集狂とでも云う」
波多野警部が妙な顔をして云った。
二、消えた足跡
実に変な泥棒であった。数百円在中の札入れをそのままにして置いて、それ程の値打もない万年筆や懐中時計に執着したという、賊の気持が理解出来なかった。
警部は少将に、それらの金製品の中、高価という外に、何か特別の値打を持ったものはなかったかと尋ねた。
だが、少将は別にそういう心当りもないと答えた。ただ、金製万年筆は、彼がある師団の聯隊長を勤めていた頃、同じ隊に属していられた、高貴のお方から拝領したもので、少将に取っては金銭に替え難い値打ちがあったのと、金製置時計は、二寸四方位の小さなものだけれど、洋行記念に親しく巴里で買って帰ったので、あんな精巧な機械は二度と手に入らぬと、惜まれる位のことであった。両方とも、泥棒にとって、別段の値打ちがあろうとも思われぬ。
さて波多野警部は室内から屋外へと、順序を追って、綿密な現場調査に取りかかった。彼が現場へ来着したのは、ピストルが発射されてから二十分もたっていたので、慌てて賊の跡を追う様な愚はしなかった。
あとで分ったことだが、この司法主任は、犯罪捜査学の信者で、科学的綿密ということを最上のモットウとしている、風変りな警官であった。