Classici giapponesi con furigana
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かじつ
佳日
Leggi 佳日 (かじつ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.912 caratteri · 30 schermate
大隅君は憤然、職を辞した。大隅君は昔から、決して悪い人ではなかった。ただ頗る見識の高い人であった。人の無礼な嘲笑に対して、堪忍出来なかった。いつでも人に、無条件で敬服せられていなければすまないようであった。けれどもこの世の中の人たちは、そんなに容易に敬服などするものでない。大隅君は転々と職を変えた。
ああ、もう東京はいやだ、殺風景すぎる、僕は北京に行きたい、世界で一ばん古い都だ、あの都こそ、僕の性格に適しているのだ、なぜといえば、――と、れいの該博の知識の十分の七くらいを縷々と私に陳述して、そうして間もなく飄然と渡支した。その頃、内地に於いて、彼と交際を続けていた者は、私と、それから二、三の学友だけで、いずれも大隅君から、彼の理解者として選ばれたこの世で最も気の弱い男たちであった。私はその時も、彼の渡支に就いての論説に一も二もなく賛成した。けれども心配そうに、口ごもりながら、「行ってもすぐ帰って来るのでは意味がない、それから、どんな事があっても阿片だけは吸わないように。」という下手な忠告を試みた。彼は、ふんと笑って、いや有難う、と言った。大隅君が渡支して五年目、すなわち今年の四月中旬、突然、彼から次のような電報が来た。