Classici giapponesi con furigana
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はいかいさだん
俳諧瑣談
寺田 寅彦
Leggi 俳諧瑣談 (はいかいさだん) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7389 caratteri · 15 schermate
それが知らぬ間にひどくよごれてねずみ色になっているのを先生が気にしていた。いつか行ったとき無断で没収され、そうして強制的にせんたくを執行された上で返してくれたことがあった。そのネルの襟巻と四方太氏の玉子色の上等の襟巻との対照もおかしいものの一つではあったかもしれない。
夏目先生は四方太氏のきちんとした日常をうらやましく思うおりもあったかもしれないと思う。先生はきちんとした事が好きであったにかかわらずきちんとしうるためにはあまりに暖かい心臓の持ち主であったかもしれないと思うからである。自分は四方太氏にもやさしい親しみを感ずることはできたが、しかしあまりにきちんとして近より難いような気もしたのであった。今日になって漱石四方太二人の俳句や文章を並べてみても、この対照が実にはっきり見えるような気がするのはあながち自分ばかりではないかもしれない。
四
去年の夏であったか、ある朝玄関へだれか来たようだと思っていると、女中が出ての取り次ぎによると「俳句をおやりになるAさんというかたがお見えになりました」というのである。聞いたことのない名前である。出て見るとまだ若い学生のような人であるが、無帽の着流しで、どこかの書生さんといった風体である。