Classici giapponesi con furigana
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ぐうぞうについてのざっかん
偶像に就ての雑感
豊島 与志雄
Leggi 偶像に就ての雑感 (ぐうぞうについてのざっかん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4374 caratteri · 9 schermate
私はそれを偶像と名づくる。吾々は生きるために先ず偶像を破壊しなければならない。新らしく偶像を作るはいい、古い偶像に新らしい生命を盛るはいい。然し乍ら、不用な偶像は必ず破壊しなければいけないのだ。
偶像の後ろにずるずると引きずられてゆく人が常にある。それは偶像が悪いのではない。引きずられるのが悪いのだ。破壊しないのが悪いのだ。たとえその方向がいいにしろ悪いにしろ、その時人は堕落するからだ。
吾々日本人は今まさに新らしく出立しなければならない時期に逢着している。古い偶像が用を為さなくって、吾々の心のうちに大きい穴が出来ているからだ。そしてその空しい穴を充たすべき新らしい偶像がまだうち立てられていないからだ。誰でも自分の内心を深く顧みるがいい。其処に空虚な大きい穴を見出さないものは、偉大なる先駆者かもしくは矮小なる愚人かだ。其処に祈らないでは居られないものと而も祈るべき対象の無い寂寥とを見出さないものは、精神的囚人かもしくは痴人かだ。更に眼を挙げて周囲を見廻すがいい。そして吾が同胞の国民性は何かと探し求める時、先ず吾々の眼に映ずるものは、皆卑小な浅薄な小怜悧なものか、もしくは痛ましい過去の残骸のみではないか。