Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ちゅうとう
偸盗
Leggi 偸盗 (ちゅうとう) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.934 caratteri · 97 schermate
「じゃあなた殺せて?」
次郎は、沙金の目が、野猫のように鋭く、自分を見つめているのを感じた。そうして、その目の中に、恐ろしい力があって、それが次第に自分の意志を、麻痺させようとするのを感じた。
「しかし、それは卑怯だ。」
「卑怯でも、しかたがなくはない?」
沙金は、扇をすてて、静かに両手で、次郎の右の手をとらえながら、追窮した。
「それも、兄き一人やるのならいいが、仲間を皆、あぶない目に会わせてまで――」
こう言いながら、次郎は、しまったと思った。狡猾な女はもちろん、この機会を見のがさない。
「一人やるのならいいの? なぜ?」
次郎は、女の手をはなして、立ち上がった。そうして、顔の色を変えたまま、黙って、沙金の前を、右左に歩き出した。
「太郎さんを殺していいんなら、仲間なんぞ何人殺したって、いいでしょう。」
沙金は、下から次郎の顔を見上げながら、一句を射た。
「おばばはどうする?」
「死んだら、死んだ時の事だわ。」
次郎は、立ち止まって、沙金の顔を見おろした。女の目は、侮蔑と愛欲とに燃えて炭火のように熱を持っている。
「あなたのためなら、わたしたれを殺してもいい。