Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げんろくじゅうさんねん

元禄十三年

林 不忘

Leggi 元禄十三年 (げんろくじゅうさんねん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.586 caratteri · 42 schermate

Aozora Bunko

」

「自慢じゃないが、何も知らんよ。しかし、先例というものがある。」

「先例はあっても、時に応じて変ることもあります。」

「そんなら、そのときのことだ。」

「万一、粗忽があったらどうなさる。」

「おれ一人が、責任を持ったらいいだろう。」

「お一人ではすみません。お家を、お郷藩を――。」

「なんじゃ、賢しらな! 肩をそびやかして詰め寄って――。」

美濃守が、いつものようにぬうっとしているので、辰馬は、焦立ってきた。

「兄者は、吉良に怒らせられて、きっと殿中で刀を抜く。刃傷――。」

「おれが吉良を斬る――。」馬のように笑って「馬鹿な!」

「いや、必ずそんなことになる。そうすると岸和田五万三千――。」

「斬りなどせんよ、大丈夫――ただ、逆を往くのだ。ははは、は、万事、吉良のいう逆を、な。」

歯を食いしばって、辰馬は、考えに落ちた。

美濃守は、他人ごとのようにけろりとして、その、沈痛な弟の顔を、珍しそうに見ていた。

三

「いや、手前ども主人も、昨年、吉良殿には泣かされました。」

多湖外記は、亀井能登守の江戸家老だった。べっこうぶちの大眼鏡を額へ押し上げて、微笑の漂っている視線を、岡部辰馬のうえに据えた。