Classici giapponesi con furigana
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ひかりのなかに
光の中に
金 史良
Leggi 光の中に (ひかりのなかに) di 金 史良 (きむさりゃん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.411 caratteri · 49 schermate
恐らく彼に対しては少くとも苗字のことが気にかかっていたのであろう。或は平気な気持でいられなかったのも、その点自分の身の中に卑屈なものをつけていた証拠に違いなかった。そこで私は寧ろ少しばかりうろたえながら、こう質ねてしまった。「何かお気にさわるようなことでもあったでしょうか」
「あります」彼は昂然と云った。「どうして先生のような人でさえ苗字を隠そうとするのです」
私は咄嗟で言葉につまった。
「まあ落着いて坐ろうじゃありませんか」
「どうしてか、私はそれが訊きたいのです。私は先生の眼や顴骨や鼻立から、きっと朝鮮人であるのに違いないと思いました。だがあなたはそんな素振り一つしなかったようです。私は自動車の助手をしています。寧ろ私のような職場の人々に苗字のことでいろいろ気拙いことが多い筈です。だが」彼は波打つ激情の余り吃り出した。どうして彼はこんなにまで興奮しているのであろうか。「だが私はそんな必要を認めないのです。私はひがみたくもなければ、又卑屈な真似もしたくないのです」
「全くです」私はかすかに呻くように云った。「私も君の云うことと同感です。だが私としては子供達と愉快にやってゆきたかっただけのことです」