Classici giapponesi con furigana
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Leggi 光り合ういのち (ひかりあういのち) di 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.439 caratteri · 263 schermate
この事件が私の一生涯に与えた影響は実に深刻なものであった。
というのは私の求道の出発というものは、後に詳しく書くが、善とは何か? という問いであったのだ。一体何が正善であるのか。私は正善の実行者であり、味方でありたい。だが何が正しく、善いかが解らなくては去就に迷わざるを得ぬ。しかし吉本君のリンチ事件が示すようになかなかその判断は容易ではない。世相を見れば見るほどその疑いは深い。
私のこうした疑いの種はこのリンチ事件の時に深くまかれた。その裏には邪悪が正善に勝ってはならぬという私の、恐らくすべての人間性の、先験的な要請があったのだ。そして私のこの要請は人並み以上に強く、鋭く、それは父から受けついだ臆病な心臓にともなうた肉体的とも言うべき感覚であった。すなわち善いものが悪いものに虐げられているのを見ると、胸がドキドキして感覚的苦痛になるという遺伝であった。
校庭でリンチの光景を見た時私の胸が慄えていたのは言う迄もない。ただこの時は私にとっては善いものが悪いものを懲らしめているという満足感があった。それが宗教的の至聖なものでないにしても、ともかくも私には正義的な喜びを与えたのだ。