Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

Leggi 光り合ういのち (ひかりあういのち) di 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.439 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

5

可愛そうでならないがしかも快楽なのだ。しばらくして出してやると、抱いたり、頬ずりしたりして寵愛するのだ。籠に入れてクルクル廻わして眩暉させたりした。虐げつつ愛しているのだ。そうして月日が立った。が或る日この犬は突然発狂して、いつもは穏しい犬だったのに、街中の犬に噛みつき、とうとう犬殺しに殺されてしまった。

私は私の病的な愛し方のために発狂したのだと思った。そして子供心に強い自責を感じた。私はこの事を姉たちにも誰れにも言わなかった。しかしそれからもう犬を飼わなかった。

5

幼きころの思い出はつきぬ。幼年時代の幸福であった私には、それはなつかしく繰りひろげられて行く昔の絵草紙である。しかし深い、重たい目的を先きに持つ私はあまりたどたどと彷徊してはいられぬ。ここらでもう幼年期に帷をおろそうと思う。

しかし私は昔の幼な友だちの三、四のものに就いて何か書きとめて置かずにはおられぬ。その人たちがふとこの伝を読んだときに、自分たちのことは思い出に残っていないのであろうかと思うことは私は堪えられぬ。何故なら私がよく見る昔の夢にはいつもその人たちが出て来ぬことはないのだから。