Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とうせいかつしゃ

党生活者

小林 多喜二

Leggi 党生活者 (とうせいかつしゃ) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.537 caratteri · 130 schermate

Aozora Bunko

出てから三階を見上げると、電燈が消えている。私は急にがっかりした。

夜店のある通りに出て本を読んでみたり、インチキ碁の前に立ってみたり、それから喫茶店に入って、二時間という時間をようやくつぶして戻ってきた。角を曲がると、三階の窓が明るくなっていた。

私は笠原に簡単に事情を話して、何処か家が無いかと訊いた。然し今迄彼女はもう殆んど知っている家は、私のために使ってしまっていた。商会の女の友達も二三人はいるが、それはこッちの運動のことなどは少しも分っていないし、「それにみんなまだ独り」だった。笠原はしきりに頭を傾げて考えていたが、矢張り無かった。時計をみると十時近い。十時過ぎてから外をウロつくのは危険この上もなかった。それに私はまだナッパ服のまゝなので、一層危険だった。女の友達なら沢山頼めるところがあるのだが、「君、男だから弱る」と笠原は笑った。私も弱った。然しいずれにしろ私は捕まってはならないとすればたった一つのことが残されていた。それを云い出すには元気が必要だったが。

「こゝは、どうだろう……?」

私は思いきって云い出したが、自分で赤くなり、吃った。