Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Leggi 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.664 caratteri · 323 schermate

Aozora Bunko

「態ア見やがれ意気地なしめ! 驚いたと見えて逃げやがった」

云い云い女に近付いて行った。

と、倒れていた若い女は、周章ててムックリ起き上ったが、源介の胸にすがり付いた。髪の毛が頬に乱れている。帯が緩んで衣裳が崩れ、夜目にも燃え立つ緋の蹴出しが、白い脛にまつわっている。年の頃は十八、九、恐怖で顔は蒼褪めていたが、それがまた素晴らしく美しい、お屋敷風の娘であった。

しばらくは口も利けないと見えて、ワナワナ体を顫わせるばかり、源介の胸へしがみ付いている。

源介の魂は宙へ飛んだ。で、むやみと口嘗めずりをした。「こ、こ、こいつア悪かあねえなあ。ううん偉いものが飛び込んで来たぞ。まず俺の物にして置いて、品川へでも嵌めりゃあ五十両だ」

こう思ったそのとたん、女はヒョイと胸から離れ、まず衣裳の乱れを調え、それから丁寧に辞儀をした。

「あぶないところをお助けくだされ、何んとお礼を申してよいやら、ほんとに有難う存じました」

切り口上で礼を云った。

「へえ、ナーニ、どう致しやして。でもマア怪我もなかったようで、いったいどうしたと云うんですえ?」

相手に真面目に出られたので、つい源介も真面目に云った。