Classici giapponesi con furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Leggi 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.664 caratteri · 323 schermate
授り児でございます。その授り児が十や十一でどうして死ぬのでございましょう? いえいえ死には致しませぬ、いえいえ死には致しませぬ」
お石は畳へ突っ伏した。
すると不意に葉之助がムックリ床の上へ起き上がった。
「代りが来るのだ、代りが来るのだ! 次に来る者はさらに偉い!」
叫んだかと思うとバッタリ仆れそのまま呼吸を引き取ってしまった。
こうしてが六月が過ぎて行った。
「あなた、元気をお出し遊ばせ」
「奥、お前こそ元気をお出し」
などと夫婦で慰め合うようになった。
「江戸から大歌舞伎が来たそうだ。どうだなお前観に行っては」
「はい、有難う存じます。それより秋になりましたゆえお好きの山遊びにおいで遊ばせ」
「うん、山遊びか、行ってもよいな」
「明日にもお出掛け遊ばすよう」
「北山殿もお好きであった。ひとつ誘って見ようかな」
「それがよろしゅうございます」
そこで使いを立ててみると喜んで同行という返辞であった。
その翌日は秋日和、天高く柿赤く、枯草に虫飛ぶ上天気であった。
まだ日の出ないそのうちから三人の弟子を引き連れて天野北山はやって来た。
「鏡氏、お早うござる」
「北山先生、お早いことで」