Classici giapponesi con furigana
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ろくがつ
六月
相馬 泰三
Leggi 六月 (ろくがつ) di 相馬 泰三 (そうまたいぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.673 caratteri · 37 schermate
た。そしてかえってあべこべに心の中に余裕があるようであった。それに布団の中にいたので多少気が落ちついていたものと見えて、(まあ、主婦さんもこのごろは金の催促がうまくなったこと! それにしても、まだ年が若いのに、この人もほんとに気の毒な……)こんなことを心に思うて黙っていた。
主婦はまた続けた。
「私の申し上げようが手ぬるいと言っていつも私は良人に叱られるんですよ。かんしゃくを起こして酷く私を殴ちのめすんです。ほんとにやりきれやしない」それもみんなあなた方のせいだ。と言わぬばかりに言う。しかし彼は次のようなことを思うてやっぱり黙っていた。
(なあに、たかが五十円足らずの金じゃないか。いつまでやらないと言うのではなし、――よしまた全然それが払えないで終ったとしたところで、それが僕の全生涯から観て、どれほどの不善でもありやしない)
何と言っても彼が黙っているので、主婦は根敗けして、
「ほんとに困ってしまう、――それでは月末には是非とも間違いなくお願いしますよ」と言って思いきりわるそうに出て行った。
曽根は、今日は一日社も休み、「自分の生命」のために、そんな小さなことに煩わされずに、もっと偉いことについて静かに瞑想しようと思うた。