Classici giapponesi con furigana
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しゃせいぶん
写生文
Leggi 写生文 (しゃせいぶん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5550 caratteri · 12 schermate
否いかに深刻な事をかいてもこの態度で押して行くから、ちょっと見ると底まで行かぬような心持ちがするのである。しかのみならずこの態度で世間人情の交渉を視るからたいていの場合には滑稽の分子を含んだ表現となって文章の上にあらわれて来る。
人によると写生文家のかいたものを見て世を馬鹿にしていると云う。茶化していると云う。もし両親の小供に対する態度が小供を馬鹿にしている、茶化していると云い得べくんば写生文家もまたこの非難を免かれぬかも知れぬ。多少の道化たるうちに一点の温情を認め得ぬものは親の心を知らぬもので、また写生文家を解し得ぬものであろう。
この故に写生文家は地団太を踏む熱烈な調子を避ける。恁る狂的の人間を写すのを避けるのではない。写生文家自身までが写さるる狂的な人間と同一になるを避けるのである。避けるのではない。そこまで引き込まるる事がおかしくてできにくいのである。
そこで写生文家なるものは真面目に人世を観じておらぬかの感が起る。なるほどそうかも知れぬ。しかし一方から見れば作者自身が恋に全精神を奪われ、金に全精神を捧げ、名に全精神を注いで、そうして恋と金と、名を求めつつある人物を描くよりも比較的に真面目かも知れぬ。