Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かんこんそうさいはかせ

冠婚葬祭博士

佐々木 邦

Leggi 冠婚葬祭博士 (かんこんそうさいはかせ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.762 caratteri · 30 schermate

Aozora Bunko

「おい、唸るとは何だ?」

と八田さんが鎌首を擡げた。この人はもう低い声で歌っていたのだった。

「何でも宜いから、慰藉料を五十円出し給え。君達の隠し芸には若手連中から苦情が出ているんだ」

「ふうむ?」

「二人で百円だ。それ丈け会費に入れゝば、若手の負担が軽くなる」

「しかし高いぞ、一人で五十円は」

「未熟の芸をこれ丈けの大人数に聴かせるんだから、安いものさ。只じゃ決して唸らせない。禁止税だよ」

と団さんは豪い権幕だった。皆手を拍って喝采した。毛利さんと八田さんは仕方なしに五十円宛祝儀を出して唸った。これが慣例になって、以来忘年会毎に五十円宛寄附する。のみならず、団さんが辛辣な批評をするものだから、余り長くやらない。重役連中が苦手にしているところを見ると、団さんは確かに骨がある。

さて、団さんの家へ出入する若手は早くて二三ヵ月、晩くても半ヵ年たつと必ずお嫁さんを貰う。元来縁談の為めに訪れるのである。然るに僕は三ヵ年伺候したけれど、無事息災だった。

「何うしたんだい? 君」

と大谷君が不思議がった。

「何うもしないよ。僕は君達とは動機が違う。単に先輩として敬意を表するんだから」