Classici giapponesi con furigana
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めいどこうしんきょく
冥土行進曲
夢野 久作
Leggi 冥土行進曲 (めいどこうしんきょく) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.807 caratteri · 50 schermate
要するに私たちの若い母親が余りにも美しすぎたせいであったから。
この義母の弓子が今の弟、友次郎を生むと間もなく、父がその若い母を愛する余りに、その金鉱の事を何気なく打明けた。近いうちに軍事探偵を廃業して、ここに砂金を採りに行くのだと云って、満洲の地図に赤い印を附けてみせたものである。これがそもそもの間違いの初まりであった。
私たちの愚かな母親弓子は当時哈爾賓の英国商人の処に奉公していた伯父に、その事を通信したらしい。伯父は直ぐに帰って来て母親からその地図を捲き上げると、哈爾賓に引返して、私の父が軍事探偵である事をG・P・Uに密告したに違いないのだ。
間もなく砂金採掘の用意をして渡満した父は、哈爾賓の市外で、露人に誘拐されて満洲里に連れて行かれる途中、列車の中で射殺されて鉄橋の下に投棄てられていたという事実が報道されている。しかもこの報道を聞いた母の弓子は流産をした上に発狂して、何も喰わずに飢死してしまった。
抜目のない伯父は妹の弓子に一万円の生命保険をかけておいたので、その金も自分のものとしてしまった。そうして私たち兄弟に、僅か千円ばかりの葬式の費用を投与えたきり、砂金の採掘権を支那人に売渡して、印度に行ってしまった。