Classici giapponesi con furigana
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はつがえる
初蛙
薄田 泣菫
Leggi 初蛙 (はつがえる) di 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3470 caratteri · 7 schermate
で、もしかこの男がすっぽんはそこらの木の枝に巣くっているものだと言ったら、すぐそれを信じたに相違なかったのでした。
見ているうちに、件の男は小笹の蔭から一匹の怪物をつまみ出して、手早くそれを魚籠のなかへ投げ込みました。怪物は背には学者のように色の褪めた背広を着て、胸には実業家のようにだくだくのワイシャツを着ていました。それを見ると博士は言いました。
「おい、今のは蟇蛙じゃないか。」
「いいえ、すっぽんどっせ、あんたはん。」
男は初めて振返って博士の顔を見ました。
「なに、蟇蛙だよ。出鱈目を言っては困るじゃないか。」
博士はからかわれでもしているように、むっとして言いました。
「そりゃ、あんたはんのお言いやす通り蟇蛙かもしれまへんけどな……」件の男はむくれ気味の博士の顔色を、半ば気味悪そうに、半ば冷かしに見返しながら言いました。「これが、あんた、大阪へ行くと、いつの間にやらすっぽんになっとりますのやで。」
「そうか、大阪へ着くと、これがすっぽんになるか。」
博士は青白いハムレットの口から、「博士よ、この世のなかにはお手前の哲学より以上のものがござるぞ。」と言い聞かされでもしたように、それを聞くと、急に今まで解せなかったいろんな事が解ったような気がしたそうです。