Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぜんしょう

前哨

黒島 伝治

Leggi 前哨 (ぜんしょう) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8857 caratteri · 18 schermate

Aozora Bunko

何が入れてあるだろう? その期待が彼等を喜ばした。それはクジ引のように新しい期待心をそゝるのだった。

勿論、彼等は、もう、白布の袋の外観によって、内容を判断し得るほど、慰問袋には馴れていた。彼等は、あまりにふくらんだ、あまりに嵩ばったやつを好まなかった。そういう嵩ばったやつには、仕様もないものがつめこまれているのにきまっていた。

また、手拭いとフンドシと歯磨粉だった。彼等は、それを掴み出すと、空中に拡げて振った。彼等は、そういうもの以外のものを期待しているのだった。と、その間から、折り畳んだ紙片が、パラ/\とアンペラの上に落ちた。

「うへえ!」

棚のローソクの灯の下で袋の口を切っていた一人は、突然トンキョウに叫んだ。

「何だ? 何だ?」

一時に、皆の注意はその方に集中した。

「待て、待て! 何だろう?」

彼は、ローソクの傍に素早く紙片を拡げて、ひっくりかえしてみた。

「××か?」

「ちがう。学校の先生がかゝした子供の手紙だ! チッ!」

その時、扉が軋って、拍車と、軍刀が鳴る音がした。皆は一時に口を噤んで、一人に眼をやった。顔を出したのは大隊副官と、綿入れの外套に毛の襟巻をした新聞特派員だった。