Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Leggi 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.568 caratteri · 98 schermate

Aozora Bunko

グッと睨んだが考えた。

「待てよと……オ、茨木! 茨木!」

「は」と云いながら進み出たのは、いましがた鞘ぐるみ刀を出し、源三郎をからかった、浪人風の男であった。

「たしかこいつは。……この若造は……加賀屋源右衛門の倅だったの?」

「は、さようでございます」

「よし」と云うと有意味に笑った。

「飛び込んで来た、よい囮が! 今まで迂濶りしていたよ。……何よりの玉だ、こいつを利用し……」

呟くと一緒に突き飛ばした。

突かれて蹣跚いた源三郎は、ドンと壁へぶつかったが、充分の恐怖、充分の怒り、しかし依然として心は夢中で……

「汝は、汝は!」と匕首を揮った。

「ホッ、ホッ」という例の笑いと共に、入身となった鮫島大学は、グッと拳を突き出した。

「ムーッ」とこれは源三郎で、泳ぐような手付きをしたかと思うと、グニャグニャになってぶっ仆れた。

「悪い格好で寝ているよ。大金持の若旦那も、からきしこうなっちゃア見られないなあ」

懐手をした鮫島大学は、見下ろしてこう呟いたが、

「おい茨木、考えがある。この態の悪いお客さんを、じめつく地下の物置で、大して大事にしなくともいいが、とにかく介抱してやってくれ。