Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Leggi 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.568 caratteri · 98 schermate

Aozora Bunko

う! 調べてやろう』と、呟いたものでございます。……それから奥へ入りましたが、どうしたものでございましょうか、それっきり姿が消えましたので、一同大きに驚きまして、諸所方々を探しましたが、今にかいくれ知れませんような次第、裏木戸から外へでも出ましたものか、錠が破壊れて居りました。……しかも、その晩には若旦那にも、家へ帰っておいでなされず、いまだに帰られないのでございます。……そういう不思議な出来事が、一度に起こって参りましたので、お可哀そうにもお嬢様には。……」

こうここまで云って来て、手代の長吉は口を噤んだ。

と云うのは側にお嬢様が――すなわち品子という十八の娘が、放心したような顔をして、茫然坐っていたからである。

ここは加賀屋の奥まった部屋で、三人の人物が対座している。

手代の長吉と娘の品子と、そうして今しがた訪ねて来た、宇和島鉄之進という若侍である。

「なるほど」と云ったのは宇和島という武士で、当惑を顔へ現わした。

「いや左様なお取り込みとも存ぜず、お訪ねしてかえって失礼をいたした。拙者は大阪表より――平野屋と申す大家より、大切の品物をあずかって、持参いたしたものでござるが、御主人が不在とあって見れば、その品物は渡し難く、一旦宿元へ持ち帰りましょう。