Classici giapponesi con furigana
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ぜんきてんまやけ
前記天満焼
国枝 史郎
Leggi 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.568 caratteri · 98 schermate
「正に! そうだよ! 違いないなあ」
「親分!」と乞食は意味あり気に云った。
「露地や裏店の連中が、黙っているものと思いなさるかね?」
「何を?」
「へー」
「何をだよ」
「そいつを私にお訊きなさるので?」
「うん」と云ったが気になる調子だ。
「大概見当は付いているがね。……」
「隣家の餓鬼が死のうとも、こっちのお家じゃア驚かない。ところが一旦自分の方へ。……」
「移った日にゃア狂人になる」
「そいつが総体に移っているので」
「全くなあ、その通りだ。場末の横町へ踏み込むと、飢え死んだ人間が転がっているなあ」
「今度は俺らの番だろう……こう考えている人間が、幾万人あるか知れないんで」
「そうだろうなあ、そう思うよ」
「理屈抜きに皆が食えないんで」
「こいつが一番恐ろしい」
「そこを狙って悪い奴が――でなかったら義人だが。もっとも血眼で探したって、義の付く人間なんかいませんがね――烽火を揚げたらどうなりましょう」
「煽動したらと云うのかい」
乞食は幽かに頷いたが、
「火が上りますぜ! 今夜あたり! そうしてそれから騒動よ! 米屋が襲われるでございましょう」
「だがオイ」と云うと詰め寄った。