Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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けんきょう

剣侠

国枝 史郎

Leggi 剣侠 (けんきょう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.961 caratteri · 310 schermate

Aozora Bunko

「それが無い、こいつが業じゃ。……分解して云えば今のようではあるが、分解も何も差し許さず、講釈も何も超越して、序破急を一時に行なうと云おうか、天地人三才を同時にやると云おうか、疾風迅雷無二無三、敵ながら天晴れと褒めたくなるほどの、真に神妙な早業で、しかも充分のネバリをもって、石火の如くに行なわれては、ほとんど防ぐに術が無い」

「はあ」と浪之助は溜息をした。

「恐ろしい業でござりまするな」

「恐ろしい業じゃ、恐ろしい悪剣じゃ。……爾来拙者苦心に苦心し、あの悪剣を破ろうものと、考案工夫をいたしおるが……」

「考案おつきになりませぬか?」

「彼のあの時の太刀さばきが、いまだに眼先にチラツイていて、退きませぬよ、消えませぬよ」

「はあ」とまたも浪之助は、溜息せざるを得なかった。

それにしても昨夜お茶の水で、陣十郎に脅迫された時、反抗しないでよいことをした、変に反抗でもしようものなら、逆ノ車でズンと一刀に、切り仆されてしまったことだろう。

浪之助にはそう思われた。

二人は盃を重ねて行った。

いつか夕暮となっていて、庭の若竹の葉末辺りに、螢の光が淡く燈されていた。

6

酒に意外に時を費し、二人が屋敷から立ち出でたのは、相当夜の更けた頃であった。