Classici giapponesi con furigana
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かたずば
勝ずば
岡本 かの子
Leggi 勝ずば (かたずば) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6991 caratteri · 15 schermate
政枝は生きなくちゃならない理由といって別に深い理論を訊き出そうとするのではなかった。二度も続いて起った喀血で、死の恐怖に縮み上ってしまった政枝はどうせ死ぬことに決った自分なら、肺患者として長く病床に居て誰にも彼にも嫌われて惨めな最後に死んで行くよりいっそ今直ぐに自分から死のうと決心したのであった。自分の脈打つ手首の動脈を切って、そっと死んでしまおうといよいよ政枝が決心したのは二三日前からである。その自殺も失敗に終ってしまうと、急にまた誰かに取り縋って一時の痛みや苦しみから遁れて息がつきたかった。叔母が「お前一人死なさない」と云った言葉が今まで愛し続けて呉れたいろいろの場面を一度に政枝の意識や感覚全部に蘇らせた。「うちには子供が無さそうだから、あんたをうちの子にして来年から女学校へ上げてあげますよ」そう云って優しく背中を撫でて呉れた叔母の手。受験準備の参考書をわざわざ一緒に神田まで買いに行って呉れたり、活動に芝居に誘って呉れた叔母の心遣いなど政枝は一度に思い出した。すると政枝は急にしゃくり上げて仕舞った。「生きたい、たとえいっときでも今一度丈夫になりたい」