Classici giapponesi con furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Leggi 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.262 caratteri · 243 schermate
男子としては可なり不見識な話だ。足許から鳥が立ったような心理状態になったが、今更何とも方法がない。予科三年間を安心して組織的に怠け通して来たから、大勢はもう定っている。少しぐらい勉強したところで焼け石に水だ。
「菊太郎君、何うしてくれる?」
と僕は凄味でも何でもなく、極く穏かに相談を持ち込んだ。十何年も前のことだけれど、芝公園が頭に浮ぶ。然うだ。学校の帰りを芝公園までブラ/\歩いたのだった。菊太郎君が電車に乗ろうと言っても、僕は応じなかった。怏々として、学業が手につかない。二三日、悲観のドン底にいるのだった。頭が好いから、よく覚えている。
「さあ」
「君の責任だよ」
「済まない」
「僕は勉強する決心だったが、君が兵隊で行こうと言い出したものだから、つい怠けて、こんなことになってしまったんだ」
「本当に済まないと思っている」
「思っている丈けで宜いのかい?」
「いや、豊子の料簡が分ったから、本科になってから本気でやろう。斯うなれば、僕もお相伴だ。決して君に恥をかゝせない」
と菊太郎君は方針を示して励ましてくれた。流石に頼もしいと思った。責任を感じている。一緒に勉強して好い成績を取って、豊子さんに納得させてくれというのだった。