Classici giapponesi con furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Leggi 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.262 caratteri · 243 schermate
と僕は立ち止って天を仰いだ拍子に、ノートを手から落した。菊太郎君はそれを拾って、埃を叩きながら、
「君」
「…………」
「大丈夫かい?」
「僕は男だ。嫌われているなら、屑く諦める」
「未だ諦めるってこともないんだけれど、今度の烏は有力だよ。帝大を出て大蔵省に勤めている。卒業前に文官試験を取ったというんだから、余程の秀才らしい」
「此方は成績じゃ今更敵わない」
「成績よりも何よりも年廻りが問題になっている。豊子は君と二つ違いだからね。君の卒業を待っていると、二十四になってしまう。家じゃその辺を考えているんだよ」
「卒業しなければ結婚出来ないってこともないんだけれど」
「それじゃ君は今直ぐにでも貰ってくれるかい?」
「さあ」
「実は僕もそれを言ったんだけれど、突っ込まれて返辞に困った。単に君が貰ってくれるだろうという想像で有力な縁談を断る次第には行かない」
「家から申込んだらどうだろう?」
「然うしてくれゝば話が早いと思うけれども……」
「けれどもなんだい?」
「矢っ張り考えものだよ。それが切っかけになって、烏の方へ直ぐに定ってしまうかも知れない」
「ふうむ」
「烏は資格があるんだ」