Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうぶごと

勝負事

菊池 寛

Leggi 勝負事 (しょうぶごと) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3952 caratteri · 8 schermate

Aozora Bunko

私は、自分の家が御維新前までは、長く庄屋を勤めた旧家であったことは、誰からとなく、薄々きき知っていたのですが、その財産が、祖父によって、蕩尽されたということは、この時初めて、父からきいたのです。むろんその時は、父の話を聞くと、二の句が次げないで泣寝入りになってしまったのです。

その後、私は成長するに従って、祖父の話を父と母からきかされました。祖父は、元来私の家へ他から養子に来た人なのですが、三十前後までは真面目一方であった人が、ふとしたことから、賭博の味をおぼえると、すっかりそれに溺れてしまって、何もかもうっちゃって、家を外にそれに浸りきってしまったのです。御厩の長五郎という賭博の親分の家に、夜昼なしに入り浸っている上に、いい賭場が、開いているというと、五里十里もの遠方まで出かけて行くという有様で、賭博に身も心も、打ち込んでいったのです。天性の賭博好きというのでしょう。勝っても負けても、にこにこ笑いながら、勝負を争っていたそうです。それに豪家の主人だというので、どこの賭場でも『旦那旦那』と上席に座らされたそうですから、つい面白くって、家も田畑も、壺皿の中へ叩き捨ててしまったのでしょう。