Classici giapponesi con furigana
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けちょう
化鳥
泉 鏡花
Leggi 化鳥 (けちょう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.872 caratteri · 35 schermate
」
モひとつ不平なのはお天気の悪いことで、戸外には、なかなか雨がやみそうにもない。
五
また顔を出して窓から川を見た。さっきは雨脚が繁くって、まるで、薄墨で刷いたよう、堤防だの、石垣だの、蛇籠だの、中洲に草の生えた処だのが、点々、あちらこちらに黒ずんでいて、それで湿っぽくって、暗かったから見えなかったが、少し晴れて来たから、ものの濡れたのが皆見える。
遠くの方に堤防の下の石垣の中ほどに、置物のようになって、畏って、猿が居る。
この猿は、誰が持主というのでもない。細引の麻縄で棒杭に結えつけてあるので、あの、湿地茸が、腰弁当の握飯を半分与ったり、坊ちゃんだの、乳母だのが、袂の菓子を分けて与ったり、紅い着物を着ている、みいちゃんの紅雀だの、青い羽織を着ている吉公の目白だの、それからお邸のかなりやの姫様なんぞが、皆で、からかいに行っては、花を持たせる、手拭を被せる、水鉄砲を浴せるという、好きな玩弄物にして、そのかわり何でもたべるものを分けてやるので、誰といって、きまって世話をする、飼主はないのだけれど、猿の餓えることはありはしなかった。
時々悪戯をして、その紅雀の天窓の毛をったり、かなりやを引掻いたりすることがあるので、あの猿松が居ては、うっかり可愛らしい小鳥を手放にして戸外へ出してはおけない、誰か