Classici giapponesi con furigana
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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
Leggi 十八時の音楽浴 (じゅうはちじのおんがくよく) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 103.941 caratteri · 210 schermate
10
ミルキ閣下は、昨日とは打ってかわった不機嫌なる体で、室内をゴトゴト歩きまわっていた。
女大臣は電波化粧台の前にすわって、自分の分泌腺をしきりと刺戟しながら、執拗にもミルキ閣下に話しかけた。
「閣下はいまにわたしに感謝なさいますわよ。閣下はご存知ないのでしょうが、今なお国内にて音楽浴の効き目が薄れた倦怠時間になると、怪しき性の手術を施して、男性が女性になったり女性が男性になったり、それはそれは口にするのも唾棄すべき悪行為が流行しているのですよ。そんなことが流行しては、国民の意気はどんなに沮喪することでしょう。閣下は国民に対して甘すぎます。彼等に睡る時間や喰べる時間や考えたり遊んだりする時間を与えるのは全く無駄なことです。そんなものは、彼等を倦怠に導き、そして堕落させる外に、何の効果もないのです。今の悪行為の流行も、その一つの証明です。だからわたしは、国を救うため、そして国民自身をも救うために、音楽浴を二十四時間にふやしたのです。それでもうまくききめが現われないようならわたしの理想とするのべつ幕なしの音楽浴を計画したいと思います。そうすれば国民全体を一人の人間に命令するように不揃いなしに右にでも左にでも向かせることが出来るのです」