Classici giapponesi con furigana
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ちよこ
千世子
宮本 百合子
Leggi 千世子 (ちよこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 83.104 caratteri · 164 schermate
「ほんとうにいらっしゃる? でもあてには出来ないこってすワ、二十日ほど貴方の顔に合わせる人がないかも知れませんわネ」
「エエほんとうにネ、今日よりも見違えるほど好いかおの色で二十日立ったら帰っていらっしゃい。キットネ」
二人は立ったまんまこんな事を話し合った。
「Hさんも千世ちゃんも西洋間にいらっしゃいナ? お茶を入れましたから……」
母親が大きいこえで云ったんで千世子はHを後から押して西洋間に入った。
「千世ちゃんお前のハンカチーフが二枚ほか入って居ないから、名の縫いつけてあるのを五六枚出して御出」
と云われて銀の錠をカチャカチャ云わせて納戸の西洋箪笥の二番目の引き出しをあけた。沢山入って居るハンカチを一つ一つよって居る間に茶色のインクでこまっかく何か書いた青い紙があるのが目についた、それは母親のもつ麻の小さいハンカチの間にはさまって居た。うす笑をしながら好奇心にふるえながら人さし指と拇指との間にはさんでぬき出した。それは四つにたたんで両面に書いてあった。その書かれた字一字を見て自分の所にあててよこした飯田町の信夫からの手紙だと云う事もその書いてある内容も想像する事が出来た。